親が一人暮らしになったら

リバースモーゲージを利用していた親が亡くなったら何をしなければならないか

リバースモーゲージを利用していた親が亡くなったら何をしなければならないか

リバースモーゲージは単なる借金

・父が生活費に余裕を持たせる意図で、リバースモーゲージを利用してお金を借りていました。私はそれを知っていましたが、深く考えることはありませんでした。
母を残して父が先に亡くなってしばらく経ってから、恥ずかしながらはじめて、「これは家を処分してお金を返すスキームを基本的な性格とする、単なる借金なんだ。」ということを認識しました。

一人暮らしの生活力が無い場合もある


・また、父が亡くなって母一人暮らしになってみると、「母の認知症が意外と深刻なこと、そしてお金の管理などの基礎的生活力がすごく弱いこと」もわかりました。普通の会話はできているので、一人でも普通に生活できるのだろうと思っていましたが、その認識は甘かったです。生活力というのは、夫婦間で補われていて、個人の力が非常に弱い場合もありえると考えておいたほうが良いです。
・苦労して遺族年金を申請しましたが、父の場合はとても少額でした。遺族年金と母の基礎年金だけでは、生活費として十分ではなかったため、リバースモーゲージの借金返済もしなければならないことを踏ん切る契機にして、ここで思い切って実家を売却して現金を作り、その借金返済の残金を原資に、母にはサービス付き高齢者住宅にすんでもらうことにしました。

実家を売るためにまず相続の手続き

・まず相続手続きが必要です。ざっと見たところ、さほど難しくはなさそう。登記手続きは司法書士にしてもらうのが一般的で、資格の無い者に依頼してはいけないけど、自分自身で手続きすることは差し支えないとのこと。実家は、亡くなった父親名義の一戸建ての持ち家、これの相続手続きを自分ですることにしました。母に相続させると、この先の認知症の進行によっては色々難しいことになるだろうと考え、私が相続することにしました。売却益に税負担が生じ、うまく該当する減免等制度医がないけど、仕方ないと思いました。

売却を依頼する不動産屋さんをどう探したらいいか?


・売却をお願いする不動産屋さんは、よくチラシが入る大手の不動産屋さんをお願いしました。チラシには、「この付近、○○町○丁目で、予算△△万円で家を探しているお客さんがいます!  だから売却物件を求めています!!  ということが書いてあります。
・私は、以前、自宅マンションを売ったことがあります。その時も、同じようなチラシを入れてくる不動産屋さんに売却をお願いしました。 このときの価格設定は、近隣類似の取引実績を参考に、少し安めの設定にしたのですが、なかなか、関心を持つお客さんは現れませんでした。2回、契約更新をして、「次の更新時は不動産屋さんを変えよう」という話をしたあと、他の不動産屋さんが仲介するお客さんが現れました。
・家の売却を不動産屋さんにお願いしたとき、チラシを入れてくる大手不動産屋さんは、自分のお客さんの中に、この地域で買いそうな人がいる、と宣伝していますので、売却をお願いした不動産屋さんが、お客さんを探してくれるのかな、と思ってましたが、そうではありませんでした。売却情報を見た、様々な不動産屋さんが、購入希望の方に紹介して、それが物件見学等につながり、購入につながるケースのほうが圧倒的に多いようです。

価格査定をしてもらっても良い不動産屋さんは選べない


・しかし、私は、また今回もチラシの大手さんに頼んでしまいました。売却を依頼する不動産屋さんを探す方法としては、見積もり依頼サイトをりようするなど、何らかの方法で複数社から査定額をもらって、複数社から話を聞いて、一社を選ぶ、という方法が考えられます。でも、高い額を出してきたところが良い会社というわけではありません。

緻密な資料をつけて、査定額の理由を詳しく説明してくれたから良い会社とも限りません。売買を依頼する会社は仲介をするだけです。買い取り保証のような類をつける場合は、相場より安い額になってしまうのは明らかです。買ってくれる人を見つけてくれるのは、多くの場合、売買を依頼した会社の人ではありません。色々な偶然が重なり合って、たまたまこの物件に巡り会えたお客さん候補とその相手をしてくれた不動産営業の人が、買い手となります。だから、査定価格は「お客さんが関心を持ちそうな価格」であれば良くて、近隣相場にだいたい近ければ、とりあえず売り出してみる、あとは運次第、という感じなのです。

したがって、売買を依頼する会社は、たまたま現れた買い手(ほかの不動産会社の人と一緒に)に対して、誠意をもってテキパキと印象良く素早く的確に対応してくれることが最も大事なことです。でも多くの不動産会社のなかで、どこがそういう会社か、信頼できる情報が少ないので、まともに選ぶことができないのです。大手は、まず自社内で買い手を探して買い手からも仲介手数料の収益を上げたい、との思惑が働きそうなので、「ホントウに顧客本位なのか?」わかりません。

不動産屋さんが提示する売却価格案は、お客さんの顔色見ながら適当に調整して、結局のところ曖昧です。価格設定は、近隣類似の取引事例を参考に自分で判断し、少し安めの設定にしました。それでもやはり、なかなか、関心を持つお客さんは現れませんでした。今回も2回、契約更新をしたあと、他の不動産屋さんが仲介するお客さんが現れました。2度めの売却の経験をして、「やはり大手に頼まないほうが良いのではないか」と思いました。


・今後、親が亡くなったときの様々な手続きのこと、認知症のある高齢者の住まいのこと、実家の売却のこと等について、参考になる情報を整理して提供したいと思います。